2010年10月8日金曜日

天候に影響される虫

めっきり涼しくなた。例年、この時期のサクラには、毛虫の食害で葉が付いていないことが多い。今年は、「モンクロシャチホコ(蛾)」の食害があまり無く、枝には綺麗な形の葉が一杯付いている。毎年、毛虫の糞が大量に落ちており、雨が降るとサクラの木の下は「アンツーカー」の様に赤茶になり汚らしい。
今夏は、猛暑日や真夏日の日数がこれまでの記録を塗り替えるなど、本当に暑かった。また、雨が一月近く降らないという異常気象でもあった。そのため、モンクロシャチホコの蛹や卵が羽化や孵化せず、大量の幼虫による葉っぱの食害が起きなかったと推察する。少雨現象の中、毛虫による葉の食害を受ければサクラのダメージも相当のもので来春の花の開花にも影響が出ただろう。
今年の蛾の発生状況から毛虫が少なく、土中に潜って蛹で越冬する数も少ないはずで、来年はモンクロシャチホコの発生は低調になると考えている。絶滅は困るが、大量発生しない程度に生息してもらいたいものだ。
困りもののもう一種類、ツバキ類に多く発生して毛でかぶれる「チャドクガ」の毛虫、2回目の発生時期が同様な天候であったため、同じように多くが死滅してくれているとよいと考えている。
私たちにいやな思いやダメージを与える虫、これらを「害虫」と呼んでいる。しかし、自然の中では生物多様性の一端を担っていることには間違いない。そして、害虫も主には数の問題で、多ければ害虫、少なければ問題視されないのである。
また、他の多くの昆虫もまた今夏の異常気象の影響を受けているはずで、本来東京に居ないはずのものが来年発生することがあるかもしれない。最近の例は、あたりまえになってしまった「ツマグロヒョウモン」や「アカボシゴマダラ」などのように、在来種の生息を脅かすような事が起きないことを願っている。
こうした虫の生息変化は、人間生活にもボディーブローの様に影響してくることを真剣に捉えなければならないと考えている。

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