2018年4月19日木曜日

移築されている「荻外荘」の視察をしました!!

4月16日に豊島区駒込に移築されている「荻外荘」の一部の視察をいたしました。
駒込には、近衛文麿が政治的会談を行った客間をはじめ応接間が移築されています。特に、客間は荻窪会談(第二次近衛内閣成立直前に、大臣予定者とドイツ、イタリアとの関係について話し合われました。その後、日独伊三国同盟が締結された。)等が行われ、写真も残っています。ただ、現在は、団体の研修施設として使われており、部屋の中を見ることは出来ませんでした。






応接間は、天井に龍の絵が描かれています。窓は、枠がデザインされ、落ち着いた感じでした。窓ガラスは、割れたのか部分的に新しいものになっていました。また、壁や扉には、けやきの一枚板が使われていました。客間周りの窓もデザインされたもので、窓ガラスは平坦性が悪く歪んで見えることから、昭和初期のガラスと思われます。こうしたガラスは今では大変貴重と考えます。



             応接間の天井









応接間の外観

玄関の向きは、荻窪時代とは変えられて使われていました。玄関外のたたきに張られたタイルにも龍の姿が焼かれていました。建物の外観は、外壁や軒裏にもこだわりが見られました。







建物の設計は、築地本願寺を設計した事でも名が知られている「伊東忠太」氏によるもので、昭和初期の創建時の平面図なども残っています。



               現在の玄関
 荻外荘は、平成28年3月1日に国の史跡に指定されました。この荻外荘を創建当時の様に復元することに対しては、色々なお考えやご意見をお持ちの方が居られると思いますが、日本の昭和史に残る様々な事柄の舞台になった場所であり建物です。国の、そして杉並の歴史的財産として後世に残して行くことは重要と考えております。今後は、持ち主のご理解と移築に係る費用など、様々な課題を解決しなければならないと考えますが、荻外荘を元に戻せるよう私も最大限努力してまいります。                  













客間の外観














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